後篇は登山開始から下山までのお話です
初めてのかたは「前編」からお読み下されば幸いです(*^^*)
富士山の4つの登山道の表示は色分けされています
今回 行きは富士宮ルート 帰りは御殿場ルートを選択したことは既にお話ししました
17:45 富士宮五合目にて
御殿場五合目(標高1400m)付近で数時間体を慣らしましたが この標高(2400ⅿ)での慣らしは充分でなかったかもしれません^^;
体を慣らす目的で ゆっくり登って行きます🐾🐾
少し上がったところにも公衆トイレがありました
トイレチップは以前の100円から値上がりになり200円になっていました
中は男女別に分かれています
山頂や目標となる山小屋がわりと近くに見えていて『これならあっと言う間に着きそう!』という錯覚に襲われます
実際は 空気が非常に薄く 道は険しく 途中すれ違いもあったりして なかなか思うようには進みません^^;
ただ これまで夜間登山ばかり経験してきたすまりんたちにとっては こういうふうに目標が見えていると励みになるし 足元も見やすいので 登山効率はずいぶん良かったように思います(^_-)-☆
※まもなく日が暮れますので この喜びは束の間でしたけど(笑)
富士宮ルートは他の登山ルートより標高が高い所からのスタートですが 傾斜の急な坂道が延々と続くルートです
一歩一歩確実に高度をかせげますが 確実に疲労していきます^^;
まるで飛行機から見るような雲の上の景色…
前を行くツアーの団体さんも高山病対策か ゆっくり歩いておられました
現在の足もとはこんな感じ⤵
小屋が見えました!
18:12 「六合目」の小屋に到着です
ゆっくりめに歩いたけれど 30分かかっていません
ちょっと頭がぼぉっとしている感じがありますが まだまだ余裕がありました
寒さもそんなに感じませんでした
これなら『楽勝!』と思ってしまいますが ここからが本番^^;
宝永第1火口が見えています
宝永火口は1707年の宝永大噴火により形成された3つの火口が連なったものです
火口の見学も可能ですが すまりんたちは今回もスルーしました^^;
こちらの自販機の飲料は350円です
「富士の天然水」は売切れでした
富士宮ルートの登山者は 人気の吉田ルートに比べるとかなり少ないですが 前日が日曜日だったため補充が追い付いていないのかもしれません
「いろはす」は在庫ありでした⤵
六合目から 次の目標の「新七合目」までは60分…
その間 お手洗いや自販機はありません
18:20 再び登山開始です
ここからは ちょっとごろごろした岩場を登って行きます
暗くなると 足の置き場が分かりづらく滑りやすいので まだ日のあるうちに少しでも上に行きたいところです
15分ほど歩いたところで新七合目の小屋が見えました🔍
歩き始めて30分経過…
体力温存しながら ゆっくり登っています🐾🐾
この辺りで 太陽が雲の下に沈み 一気に暗くなってきました^^;
まだライトは必要ありませんが足元が見づらいと一気に疲労してきます
空気もさらに薄くなるので 頭もふわーっとしてきました^^;
腹式呼吸を心がけながら(長~く息を吐きながら…)
あせらず登っていくことにします🐾🐾
月が出ました!
19:21 「新七合目」到着(標高2780ⅿ)
六合目から ちょうど60分!
よいペースだと思うのですが 暗くなり 寒さも増してきました^^;
この630m先に「元祖七合目」があります
初回登山時も富士宮ルートで登ったのですが 下調べしていなかったので 七合目に「新」と「元祖」があるのに びっくり&がっかりしたのを覚えています(笑)
630ⅿなんて平地だとあっという間の距離ですが 急坂につき所要時間は50分!
それはよいのですが…
ちなみに山頂まではその4倍以上の2.8kmなのに所要時間はたった180分だそう…
道が平坦になるわけでもないので 計算が合わないような気がしました
これから道はさらに険しくなり 疲労していくので 誤解を招きかねない表示のような気がします
眼下に幻想的な景色が広がります✨
雲の切れ間から見えているのは三島市の夜景でしょうか…
視界の端に見えていた雲が ぴょこんと盛り上がってきました
須磨!!
昨年の春 18歳でお空にいってしまった愛猫の須磨
ネズミさんの雲もちゃんとあるでしょ??
相変わらずネズミさんよりも紐が気になる様子です…
須磨が応援してくれてるから 頑張ります!
ただいまの標高は3000ⅿ
日本で二番目に高い北岳の標高が3193 mですから もうこれは充分高い標高です
ちなみにすまりんたちは2019年に北岳に登頂しました
※北岳の記事はありません
20:41 標高3010ⅿの「元祖七合目」に到着
案内表示によれば「新七合目」からの所要時間は50分でしたが 実際は75分もかかりました^^;
630mというのは直線距離だったりして?と思わず疑いたくなりました(笑)
もちろん すまりんたちはずんずん登ってきたわけではありませんが 特別に遅いペースでもなかったと思うのです…
でも スタート時と比べると 確実に疲労していることは事実です
いくら登山慣れしていると言っても いきなり高い場所からの登山は想像以上に体力を消費してしまいますので注意が必要ですね
止まると寒くなるので 数分だけ休憩しました
次は「八合目」を目指します
すまりんたちは八合目の山小屋を予約していました
そこで少し仮眠をとる予定にしていますので あとひと踏ん張り 頑張ります!
(下の山小屋に宿泊されるかたもおられますが できるだけ上まで行っておきたいので…)
案内表示によれば ここからの距離は570ⅿで 所要時間は40分だそう…
さて 何分かかるやら^^;(笑)
20:45 出発
※ここからは寒かったのと もう真っ暗で何も見えなかったので ほとんど写真を撮っていません
岩のゴロゴロした急坂は この先も続きます
すまりんたちは 高山病もあって疲労が濃くなりつつありましたが^^;
腹式呼吸をしながら一歩一歩進んで行きました🐾🐾
21:34 『八合目まで200ⅿ』の表示がありました
三分の二近く来たところで 既に所要時間を過ぎています^^;
21:53 なんとか60分強で「八合目」に到着です🚩
※だいたい1.5倍の所要時間がかかっているようです
表のベンチで仮眠をとられている人に気づかず隣に荷物を置いてしまい焦りました^^;
玄関の前で宿帳を記入するのですが この時 ぽつぽつと雨粒が落ちてきました
この直後…
雷と共に叩きつけるような激しい雨が降りだし すまりんたちは間一髪 びしょ濡れのところでした^^;
須磨が助けてくれたのだと思います!
(この雷雨のせいで 東京は停電したそうです)
すまりんたちは いわゆる「カイコ棚」の下の段に案内されました
※写真は 寝床から玄関方向を見たところです
※消灯時間を過ぎているため実際は真っ暗です
※新七合目の御来光山荘には「個室部屋」もあります
標高の高い山小屋には常備されていると思っていたストーブなどはなく 人の出入りも多いので風が入ってきてすごく寒かったです
かろうじて横になれるスペースに 薄い寝袋がぽつんと置かれてました
枕もありません!!
(自分たちのスペースのすぐ隣には先客がおられ 写真は撮れませんでした)
北岳・穂高岳・槍ヶ岳の山小屋でも雑魚寝を経験しましたが お布団一式は用意されていました
赤岳の山小屋では個室に宿泊したので快適でした
今回の富士山の山小屋の 素泊まりの料金は 一人7000円でした
山小屋の宿泊料金はこれくらいが相場であるとは思いますが 以上の理由から快適度は低かったです^^;
翌朝のチェックアウトは7:00ということで これもちょっと早く思われますが ご来光を見るため皆さん早くに出発されますので問題ないのでしょうね
ところで すまりんは 山小屋で体調の異変を感じました(>_<)
横になったとたん…
手だけが氷のように冷たくなり 震えが止まらず 脈拍もおそらく100まで上がり 耳鳴りもしてきて どうしようかと思いました
完全に高山病です^^;
実は すまきも 吐き気がして少し気分が悪かったそうです
ちなみに八合目には救護施設がありますので ちょっと安心…
結局 いつの間にか眠りにつき 数時間後 起きたらおなかが空いていました(笑)
笑いごとでは ありませんね^^;
気をつけなきゃ…
夜中の1時だというのに 皆さん起き出して登山の準備を始めておられました
日の出までは まだ4時間近くありますが すまりんたちも ごそごそと朝食をとりました
前編に載せた食料の写真ですが バナナも1本持って行きました
激しかった雨はすでにやんでいる気配…
隣のグループのかたがひそひそ声で「登山指数がAになった」「じゃあ行こう!」
と話しておられます
御来光が見れるかも?とすまりんたちも急いで出発!
…して小屋の扉を出たとたんにぽつぽつと雨が降り出し たちまち稲光がして豪雨が!!
あわてて引き返し また1時間ほど寝ることになりました^^;
先に出られたグループのかたは戻ってこられなかったので ずぶ濡れのまま強行されたのでしょう
2:56
雨雲レーダーによれば どうやら大きな雨雲は過ぎ去ったようです
寒かったので ウルトラライトダウンを羽織りました
※上手く雨を避けられたので 結局ゴアテックスは使用しませんでした
「九合目」の明かりを目標に登って行きます🐾🐾
足元には雪がありましたが 仮眠をとったので幾分楽になり 思ったより順調に進めました(*^^*)
腹式呼吸は ずっと心がけていました
3:36 40分で「九合目」に到着
表示されていた所要時間は30分でしたが ペースの良い登山者のあとをずっとついて歩いたのにも関わらず10分も余分にかかっています
やっぱり足元が見づらいのが 原因でしょうか…
3時台でも 山小屋は賑わっています✨
さすがに飲料の値段は500円になっていました
すまりんたちは 持ってきたお水が尽きそうだったので ここで1本ずつ購入
(できるだけ荷物を軽くしたいので余分なお水は持たないようにしています)
この近くに大きなライトがあったので ものすごい数の蛾がバタバタと舞っていていて怖かったです^^;
長居は無用…
次の目標に向かって出発しました💨(←ダッシュは"気持ち"だけ 笑)
頂上に向かい登山者の明かりが連なっていました
4:26 40分で「九合五勺」に到着(やはり10分オーバー^^;)
まもなく 夜明けです
日の出時刻は4:50ごろなので 頂上での御来光は無理かな?
見下ろすと 登山者が列をなして登ってきているのが見えました
見上げると 山頂はもうそこに!
予定では30分で到着だそうですが…
「30分で登れるわけない!」と話している人がいました
やっぱり そうですよね^^;
寒くて しんどくて 温かいお布団が恋しいです…
東の空がオレンジに染まりとてもきれいな朝焼けが見れましたが 結局お日様の姿は最後まで拝めませんでした
前回もそうでしたが 山頂に近づくにつれ 渋滞してきました
こうして見ると 止まって休んでいる人がけっこうおられます
5:20 山頂 目前
かなりお疲れですが 鳥居までと思うとなんとか頑張れました
標高3712ⅿ「富士宮口山頂」です!
風がなければそれほどでもないのですが 冷たい風が吹きつけて じっとしていると凍えそうでした
続々と登山者が登って来られます…
頂上浅間大社奥宮
無事登頂のお礼にお参りをしました
傍らにあるのが 富士山頂郵便局
朝の6時からお昼の2時まで開いていてオリジナル商品も販売されています!
手紙を投函する際 窓口に差し出すと富士山風景印を押印して下さいます
すまりんは初回登山の時 ハガキを出しました(^_-)-☆
残念ながら ここはまだ真の山頂ではありません
日本最高地点の剣ヶ峰へ向かいます🐾🐾
2004年まで富士山測候所のレーダードームが置かれていましたが今は建物のあとだけが残っています
1997年撮影⤵
現在は 道の駅 富士吉田にある富士山レーダードーム館へ移築されています
久しぶりにこちらの須磨を連れてきました
(うちの子そのまんまクッションのミニチュアサイズです)
ちいさな須磨は 今回はお留守番(^_-)-☆
剣ヶ峰に行く途中 お鉢の雄大な景色を見ることができます
※今回は お鉢巡りはしていません
今年は猛暑にもかかわらず雪が残っていました
夜半の雷雨にヒョウが混じっていたのかもしれません
最後は ものすごい急坂!
火山岩は滑るので 下りは多くのかたが手すりを持って下りておられました
右手には お鉢がさらに綺麗に見えていました
頂上での記念撮影は順番待ち…
そして
こちらが 標高3776ⅿの 日本最高峰✨
交代で記念撮影を行いました(※後ろの人が写真を撮って下さいます)
外国人のかたも大勢おられましたが 皆さんとってもマナーが良かったです
さて 下山です!
初回登山時は 富士宮ルート 2回目は 須走ルートから下山しました
今回 初めて御殿場ルートで下山します
6:52 下山開始
雪が残っていて滑るので慎重に下って行きます
ゴールまでの距離は約9km 標高差は2300m!
はるかかなたにゴールが見えました🔍
手前には 美しい宝永第1火口✨
直径1kmもあり 富士山頂の火口よりも大きいそうです!
山中湖が見えました
8:04 72分で 「八合目」に到着
オフィシャルサイトによればここまでの所要時間は45分…
すまりんたちは大幅遅れです^^;
正確には 七合九勺なのだそう…
ここからは雪もなくなり ゴロゴロした石も少なくなって 歩きやすい道に変わりました
延々の つづら折り🐾🐾
だいぶ下ってきたけど まだ雲の上です
ただし もう高山病の症状はありませんでした
登りに比べて体力の消耗も少なく 空気は濃くなっていきますから…
8:31 「七合五勺 」
所要時間25分のところ 27分で到着
歩きやすくなったのでけっこう順調に歩けたと思うんですけど^^;
物資を運ぶブルドーザーが専用の道を登って行きました
これに乗ったらあっという間に頂上に着きそうです
すまりんたちは 引き続き つづら折りの道を下って行きます🐾🐾
8:48 御殿場名物 大砂走りの案内がありました
走ってずんずん下れるという大砂走りは もうそこに…
※手前に見えるのが宝永山遊歩道との分岐です
寄り道する余裕もないので もちろんまっすぐ下ります
オフィシャルサイトによれば
宝永山遊歩道との分岐から新五合目(ゴール)までの所要時間は85分
ところが…
本格的な砂走り区間に入ったのに足が重くて走れませんでした(>_<)
※また動画の直接添付ができなくなり 今回はYouTubeです^^;
砂埃を上げながら下って行きます🐾🐾
稜線の果てまで続く先の見えない道に不安をおぼえ エンジンをかける勇気がありませんでした^^;
下り道ではありますが 歩くと 普通の道を下るよりずっと足にきました^^;
まるで砂漠… でも 足元は海岸の玉砂利みたいな…
本格的な大砂走りに入ってすでに80分が経過
あと5分でゴールとはとうてい思えない景色です^^;
トレーニングをしておられる学生さんたちがすまりんたちの横を軽快に走って抜けていきました💨
もういやだ… と すまきにグチグチ言ってるすまりん(笑)
元気な時に この大砂走りを豪快に走ってみたいです
前回の下山で利用した須走ルートは まだ若かっ元気な時に走ったので らくちんだった記憶があるのですけど…^^;
正面は霧で見えませんが ゴールまでまだ距離があることは分かっていました
…が 身も心もボロボロになった時にようやく表れた案内表示に
『御殿場口まで45分』
とだけ書かれているのを見て 卒倒しそうになりました^^;
ということは宝永山遊歩道の分岐部からここまで たった40分で走ってくるべきところだったようです!
その時の写真も何枚か撮ったはずでしたが あとで見たら全然撮れていなくて^^;
景色としては同じような砂利道ですが そこからは平坦な道になりました
大砂走りに入ってから お店や自販機などは全くありませんので注意です!
曇っているとはいえ日差しを遮る場所もなく 砂漠の中を延々さまよっている気分でした^^;
『400m先に大石茶屋』…の表示を見た時は ほっとしました
11:10「御殿場口新五合目 大石茶屋」が見えてきました
もう大丈夫(^_-)-☆
ゴールまであと一息!
11:21 無事下山しました(*^^*)
鳥居をくぐって一礼…
下山に要した時間は4時間半と 予定よりも長くかかってしまいましたが ケガもなく戻って来れて満足です(^_-)-☆
標準タイムで登山するには 以下のことを心がけるべきだったと思いました
•高山病にならないこと
•明るい時間帯での登山
•山小屋で刻んでゆっくり体力を回復すること
※吉田ルートにも快適な個室付きの山小屋がいくつかあるようです(^_-)-☆
YouTubeなどを拝見すると すごい勢いで登って 走って下山されるかたもおられますが 登山初心者のかたは すまりんたちのタイムも参考にしていただければと思います
※大砂走りを走ると靴のかかとがボロボロになる可能性があるので お気に入りの靴は避けたほうが良いかもしれません
それにしても 下界は暑かった^^;
ゴリラさん と うさぎさんが プールで泳いでいるみたい 笑
次回は
昨年 富士登山を断念した翌日に宿泊した「風のテラスKUKUNA」のお話です