愛媛県の内子町(うちこちょう)は 古い街並みが 観光スポットとして整備されています
車の場合は松山市から30分ほどです
街並みの入り口にある町営駐車場(料金:1日300円)
駐車場を出て まず目に入ってくるのは高昌寺
涅槃(ねはん)仏が有名なようで...
どーんと仏さまが寝ておられました!
参道脇にも小さな涅槃像が…
説明板は点字しかありません
目の不自由なかた用の「撫で仏」なのですね!
なるほどと思いました!
お寺を出て 50mほど歩くと街並みの入り口です
正式には「内子町八日市護国伝統的建造物群保存地区」といいます
入り口の資料館で マップをいただきました
駐車場から南に歩いて行けば 端から端まで街並みが見学できるようです
趣ある旧家が軒を連ねています
平日だったからか 人通りは少ないめでした
うだつを並べた 塗り壁の立派な町屋が続きます…
※「うだつがあがらない」の うだつ です
なまこ壁で腰巻した家もあちこちにありました⤵
内子の町は 櫨(はぜ)の木の実からつくられる木蝋(もくろう)の生産で栄え とても裕福だったようです
しゃちほこをのせた ひときわ立派な入母屋屋根のお家…
この町の顔役 本芳我(ほんはが)家です
芳我一族はろうそくの原料である木蝋作りを生業として栄えたそうです
上芳我・中芳我・下芳我といった分家もそれぞれ大きな屋敷を構えています
本家の内部は非公開ですが 門からお庭を拝見することができました
べんがら格子に 凝った鏝(こて)絵の塗り壁の豪邸です✨
土蔵も「蔵」には見えないくらい立派でした👀
こちらは分家の上芳我家⤵️
見学時間 : 9:00~16:30
料金:大人500円 / 小・中学生250円
※お得なセット券もありました
(木蠟資料館上芳我邸・商いと暮らし博物館・内子座 共通)
大人900円 / 小・中学生450円
早速 中に入ってみます
受付におられたかたが『ハゼの実から蝋をつくる工程』を分かりやすく解説して下さいました
ハゼの実を蒸して搾って得られたものが生蝋(きろう)です
生蝋はそのままでもろうそくの原料になりますが…
不純物を含んで品質が安定せず またウルシ科のハゼは かぶれる成分も含んでいます
そこで灰汁を使って何度も精製して純度を高めたものが白蝋で 化粧品や薬の基材などにも用いられました
芳我家は この精製技術に長けていて 明治時代に開催されたシカゴ万博・パリ万博に出品された製品は受賞して高い評価を受けました✨
JAPAN WAXとして輸出された白蝋は口紅などさまざまな用途に使用されたそうです
お座敷(お店)に上がらせていただきます
二階も天井が高く 広い間取りです⤵
一階からの大黒柱が三階(屋根裏部屋)まで伸びていました⇩
ふたたび一階に下りて 奥に抜けると中庭があります
さらに奥にも建物と廊下が続いています…
こちらは 昔のお手洗いです⤵ 二か所ありました
手洗いの水が風流です✨
でも 冬は寒そうですね^^;
お風呂もありました
母屋の反対側には広い炊事場
屋内に井戸もありました!
台所から裏手に出ると 別棟の収蔵庫があります
中は資料館になっています
昔のご飯を見るのは大好きです(*^^*)♡
これは愛媛名物鯛そうめん!
鯛を煮たおつゆをたっぷり吸ったそうめんが絶品のごちそうです
晒し場とよばれる広い庭には ハゼノキが植えられていました
英語では Sumac tree っていうんですね
これがハゼの実です
写真を撮る時 触れないように注意しましたが
このあと 目の周りが痒くなったすまりん…
どこまで敏感肌なのか 精神的なものか^^;
晒し場で天日干しされる蝋が盗まれないよう厳重な垣根があります
なので 蝋垣と呼ばれるようです
続いて立ち寄ったのは
内子町立 町屋資料館(無料)
どなたもおられなかったので さっと見ただけです…
奥にきれいなトイレがありました
商いと暮らし博物館
前を通ると「いらっしゃい!」と声が聞こえました
人形に声をかけられたようです…笑
「お薬ありますよ…」とかなんとか おっしゃってました
開館時間:9:00~16:30
料金:大人900円 / 小・中学生450円
※すまりんたちは セット券で入場しました
中にも蠟人形さん…
ご主人が今日の予定を話されています
(センサー?で繰り返し音声が流れます♪)
こちらはお嬢さん”あっちゃん”のお膳⤵
白米が山盛りです✨
一方 土間に座って食事をしている”とうきちさん”のご飯は…
別のおひつで 中身は玄米でした
白米は高価なので お金持ちのお屋敷でも そうはいかないのでしょうか…
でも ご主人はとうきちさんにやさしく話しかけておられましたよ(^_-)-☆
二階へ…
客間にも ご主人がおられ 笑 来客と話をされていました
お嬢さんの女学校のお話をされているようです…
内庭に面した廊下を歩いていきます…
二階へ…
薬屋らしく 薬瓶が並べられた仕事場で調合されています
こちらはどなたでしょうか… 横に薬研が置いてあります
こういうのを見るとなぜかテンションが上がります(笑)
二階も広いです✨
内庭を見下ろすこの部屋は隠居部屋だそうです
台所では女中さんが料理をしているようです
お風呂場
こちらは石鹸とへちまです
五右衛門風呂ですね⤵
風呂焚きの薪が積まれています
奥にトイレがありましたが こちらは本当に使えます
JR内子駅の近くまで歩いてきたところに 内子座の看板がありました
道から少し入ったところに 立派な芝居小屋が現れました
内子座は1916年に 大正天皇の即位を祝って創建されたそうです
こちらもセット券で入りました(^_-)-☆
まずは二階に上がってみました
向正面席は1列目は座布団席で2列目以降は腰掛になっています
二階正面から見た舞台⤵
すまりんは東桟敷に座ってみました(^_-)-☆
こちらも1列目のみが座布団席です
やっぱり正面からの方が見やすいですね…
舞台にも自由に上がることができるので皆さん交代で写真撮影しておられました
桝席に下りてきました
舞台には和傘などの小道具もあります
すまきに「何か一芸をして♡」とお願いしたけど 直立不動
つまらない…
すまきから見た景色 ※すまりんは前方席に移動しています
1桝6人です
舞台
ちゃんと回り舞台になっています
すまきと 奈落に下りてみました
地下迷路のような通路を進むと…
回り舞台の下に出ました
こんなふうに人力で回すそうです⤵
※もちろん 観光客が回すことはできません
回してるふりをする すまき ↑
奈落から舞台へせりあがるための仕掛け(セリ)がありました
花道へ上がるためのセリを特に「すっぽん」というそうです
そちらで詳しく見て下さいとのことでした⤵
こちらが花道の上にあるすっぽんの扉です
最後は和ろうそくのお話です
古い街並みの中に 和ろうそくのお店がありました
大森和蠟燭屋
昔ながらの手法でハゼの実から搾った生蝋からろうそくを作っているお店です
こちらが和ろうそく⤵
芯が太いですね!
ここにもハゼの実が展示してありました
これを蒸して搾って生蝋をつくります
ろうそくを作る作業を見学できます
※以下2枚の写真はお店のホームページからお借りしました
竹ぐしに 和紙と灯芯草(イグサの髄)を巻きつけ 真綿で止めて灯芯をつくります
⇩ ⇩ ⇩
40〜45℃に溶かした生蝋を素手ですくい上げ 灯芯を手のひらの上で転がしながら何度も何度も蝋を重ねてろうそくを作っていきます
熱いしかぶれるし 大変な作業です(>_<)
その後 つやを出して仕上げ 芯を整え 長さを切り揃えて完成となります✨
以前 撮影した和ろうそくの写真をご覧ください(^_-)-☆
1/fのゆらぎが心地よいです(*^^*)
和ろうそくは芯が太くてとても明るいのですが…
その分 芯が炭化して残りやすい特徴があります
炭化した芯を残したままだと 炎が大きくなりすぎてしまいます
そのため 時々火ばさみで芯をちぎり 炎の大きさを調節する必要があります
炎が少し小さくなりました
最後は…
火ばさみで根元をつまんで炎を消します
大森和蠟燭屋さんのろうそくは無地ですが お土産やさんには絵柄のついたろうそくも販売されていました
今まで何となく見ていた和ろうそくですが 実際に作っておられる所を見学して その貴重さを改めて感じました
この伝統がずっと続いて欲しいなぁと思います
次回は内子町にある「オーベルジュ内子」のご紹介です