すまりんたちは南総里見八犬伝の里にやってきました
「南総里見八犬伝」は江戸時代後期に滝沢馬琴によって書かれた長編小説です
なんと原本は全98巻 106冊もあるそうです👀
もちろんフィクションなのですが 実在の人物や場所が虚実交えて描かれています
このため舞台となった房総半島南部には 八犬伝ゆかりの史跡がいくつも残っています
今でいう"聖地巡礼"は江戸時代からあったのですね!
「南総里見八犬伝」は映画化されたのを見たことがありますが
本来の小説のほうから 今回の記事に関係ある部分をあらすじとして書き出しました
~このお話は 関東の合戦で討ち死にした父と別れて わずかな家来とともに南房総にあった安房の国に落ちのびた里見義実の話からはじまります~
むかしむかしの 室町時代…
悪女 玉梓に溺れた安房 滝田城主の神余光弘は
彼女と密通していた奸臣 山下定包に謀殺され 国は大いに乱れていました
里見義実は 逆臣の山下定包を討ち
落ち武者の身から一気に安房半国の領主✨となりました
玉梓は
「里見の子孫を畜生道に落とし 煩悩の犬にしてやる」
と呪詛の言葉を残して斬首されました
時はくだり…
里見領の凶作に乗じて 隣領である館山の安西景連が攻めてきました
落城を目前にした義実が 飼犬の八房🐕に
「景連の首を取ってきたら娘の伏姫を与える」
と戯れを言ったところ…
その夜のうちに 八房は景連の首を咥えて戻って来ました🐾
大逆転で安房の統一を果たした義実…
八房に豪華な褒美🍖🥩🍗を与えてみましたが 目もくれませんでした
『娘を犬に嫁がせるわけにはいかぬ』
と 義実が八房を槍で殺そうとしたところ…
伏姫は『君主が言葉を翻すことの不可』を説き
八房🐕の背に乗って富山(とやま)の山奥の岩室に身を隠しました
伏姫は 富山で読経の日々を過ごしました
しかし常に護身刀を持って 八房を近づけさせませんでした
翌年…
伏姫は 山中で出会った仙童から
• 八房が玉梓の呪詛を負っていたこと
• 読経の功徳によりその怨念は解消されたこと
• 八房の気を受けて子を宿していること
を告げられました
懐妊を恥じた伏姫は
折りしも富山に入った父 里見義実の前で自害割腹し(>_<)
胎内に犬の子がないことを証してみせました
傷口から流れ出た白気(白く輝く不思議な光)は 伏姫の数珠を空中に運び
仁・義・礼・智・信・忠・孝・悌
の文字が記された八つの大玉を飛散させます
やがて 関八州の各地で
飛散した数珠の一玉を持ち 共通して「犬」の字を含む名字を持つ八犬士が生まれます
八犬士は それぞれに辛酸を嘗めながら 因縁に導かれて互いを知り
里見家の下に結集して 危難を救うことになる…
という大長編の物語です
これから向かう伏姫籠穴は富山(とみさん)の中腹にあります
すまりんたちは車で行きましたが 車で大丈夫なんだろうか… と不安になるような道
見覚えのある切り株がありました⤵
ブログで親しくして下さっているかげとらこさん(id:kagetora5)が 以前 伏姫籠穴についての記事を出されていて この切り株の写真を載せておられました
切り株のイメージについて言及されていたのがすごく面白かったです↓
(私も そのように見えました^^;)
細い道はまだ続きます…
かげとらこさんが歩いて行かれた道…
ようやく建物が見えてきてほっとしました
上の写真の建物はお手洗いで 外には自由に使える杖が置かれていました
前の広場には 車を数台とめられるスペースがありました
「伏姫籠穴」へはお隣のこちらの門からアクセスします🐾🐾
まずは数十段の石段を上っていきます🐾🐾
※怖い写真ではありません(笑)
一旦 平らな道になり また緩やかな階段が始まります
途中に休憩所がありました
この日は格別暑かったですが^^; もうゴールは目前です
上の写真の突き当りにちらっと見えていますが…
「伏姫籠穴」の手前に丸い広場がありました
周囲にベンチがあり休めるようになっていましたが とにかく暑かったです
下を見ても階段が見えるくらいで 特に眺望はありませんでした
柵の欄干には八犬士の名前が刻まれていました⤵
広場のすぐ近くに「伏姫籠穴」はありました
門をくぐる時 ちょっと緊張しました!
(パンプスでは)ちょっと登りにくい階段が10段ほど…
ここです!
伏姫と八房が暮らしていたとされる洞窟…
中をのぞき込むと奥に8つの玉が並んでいました
昔の人は よくこんな それらしい洞窟を見つけたものですね!
小説にも 「洞窟は南面して光が入り 中まで明るい」とされていましたが…
その通りでした!
平面図
断面図
フィクションだとわかっていても なんだか不思議な"気"のようなものを感じました
(単純なすまりんです)
~仁・義・礼・智・信・忠・孝・悌~
これらは 八徳(儒教における八種の徳)を表す文字です
※徳の薄いすまりんにはよくわかりませんが^^;
儒教思想の根幹である五常(仁・義・礼・智・信) に 忠・孝・悌が追加されたものが八徳だそうです
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すまりんたちは もう一つのスポットを目指します🚗
また 狭い農道のような道を走っていきます🚗
「滝田城址 駐車場」と書かれた案内板がありました
坂を上がった所に駐車場(無料)がありました
誰もいません… 車もありませんでした
激しく草が生い茂り 案内板も草に覆われています
城マニアのすまきが下調べしてくれているはずですが 大丈夫かな^^;
遊歩道や展望台が整備されているそうですが…
登山口はこんな感じでした⤵
獣除けの柵を自分ではずしてから登ります
すまりんはこういう柵を見るといつもすごく怖くなります…
怖い動物がいたらどうしよう^^;
柵の向こうは夏草がいっぱいで道が見えないところもありました
特にこの時期は あまり人が訪れないのでしょうね^^;
蜘蛛の巣がいっぱいかかっていたので 先導はすまきです
でも 蛇が出たら…
後ろを歩いている人が噛まれると言いますね^^;
すまきが城マニアだから こんなとこまで連れていかれる(>_<)
…そんなことを考えながら クソ暑い山を歩きました🐾🐾
途中で がけ崩れの跡がありましたが ぜんぜん整備されていません
すまき!そんなとこ行くの!?
すまりん こんな格好なんですけど…(笑)
容赦ないすまきは ずんずん進んでいきます(笑)
「ところどころ 堀切を思わせる遺構があるよね!
左右が急峻に切り立った尾根上の道は 攻め手は一列で進まないといけないから…」
すまきのひとりごと解説は続きます
はいはい ちゃんと聞いていますよ
たしかに こういうのって 攻めるの難しそうですね^^;
そういえば 途中からは歩きやすい道になっていました(*^^*)
まもなくゴールです🚩
房総半島南部のこの地「安房国」は戦国時代 里見氏によって支配されました
伏姫の父のモデルとなった里見義実は安房里見氏の初代にあたりますが その詳細は伝説的で不明です
里見義実の頃から100年近くのち 里見家では「天文の内訌」というお家騒動があって 分家が主家を乗っ取る戦いがありました
この城は主家側の拠点の一つだったようなので 実際の攻防があったのかもしれません
伏姫が八房に乗って天を翔る姿を現わしたブロンズ像
その奥に展望台があったようですが 今は土台しか残っていません
ところで…
夏至後の 第3の庚の日を「初伏」
第4の庚の日を「中伏」
立秋後の最初の庚の日を「末伏」
といい この三つを合わせた夏の最も暑い時期を三伏(さんぶく)というそうです
夏の末に産まれたので 三伏にちなんで伏姫と名付けられたそうですが
実は「伏」という字は「人にして犬に従う」という呪があったのだとか…
八房🐕は 首から尾まで八か所に黒い斑毛(ぶち)があったので八房と名付けられたそうです
実は 主郭はもう少し進んだ先にあるようですが 時間が無いのと暑いのと 藪が酷いのでこれ以上進むのは断念
伏姫像を見るのが目的だったのでこれでよしとします(^_-)-☆
八房… かわいい顔をしていました(*^^*)
次回は鴨川市にあるお宿「中屋」のお話です(^_-)-☆