すまりんの てくてく ふたり旅

部屋付き温泉のある素敵な宿と美食を求め 夫のすまきと全国飛び回ります!

しば漬け発祥の地 大原を歩く🐾🐾

本日は大原観光としば漬けのお話です

 

京都の老舗のお宿「芹生」に宿泊中のすまりたち…

早起きして 誰もいない大原の里を散歩してみました🐾🐾

お宿のすぐとなりが三千院の参道なのです!

 

門前の店舗が立ち並ぶ 風情のある苔むした石垣の道…

 

「京都の大原三千院」と言えば…

頭の中に この曲が流れてきませんか?


www.youtube.com

 

開門前の三千院

立派な石垣は穴太(あのう)積みだそうです

三千院は 青蓮院・妙法院とともに 天台宗山門派門跡寺院の1つ

伝教大師最澄が建てた比叡山の僧坊にその起源があります

門跡というのは 皇族や摂関家のような高い位の公家が住職をつとめる 寺格の高い寺院のこといいます

三千院は特に宮門跡(みやもんぜき)といって 皇族が住職となったお寺でした

 

京の都からさほど遠くなく

それでいて深山幽谷の地を思わせる大原…

貴人や念仏修行者が都の喧騒を離れて隠棲する場として 古くから知られていました

 

人間の心の境地には

地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界・人界・天界・声聞界・縁覚界・菩薩界・仏界

いわゆる「十界」があるそうです

 

人の心は揺れ動いていて

地獄界にあるときも仏の心を持つこともあるし…

仏界にあっても地獄の心を持ちうるということで…

十界の各界がまたそれぞれ「十界」をそなえています

 

そしてそのそれぞれの「界」

相・性・体・力・作・因・縁・果・報・本末究竟等「十如是」があり

 

それが 五蘊(ごうん)世間・仮名(けみょう)世間・国土世間

三種世間」にわたるので…

 

要は (笑)

十界×十界×十如是×三世間三千という法数(ほっすう)ができるのだそうです!

インド人は昔から数学が得意なのだということだけはわかるような気がします

 

三千院を過ぎると 赤い橋がありました

ここを流れる川は律川(りつせん)というそうです

 

ちなみに お宿の前を流れていた川は呂川(りょせん)

三千院の敷地は 南側を呂川 北側を律川にはさまれています

「呂」と「律」は 仏教音楽や雅楽で曲調を示す言葉で

「呂」は長調  「律」は短調にあたります

「呂律(ろれつ)がまわらない」というのはここからきたそうです

大原は日本の仏教音楽(声明)の中心地のひとつでした…

 

橋を渡るとすぐに 後鳥羽天皇順徳天皇父子の御陵がありました

承久の乱でそれぞれ隠岐佐渡に配流され 失意のうちに崩御されています

隠岐佐渡にも御陵はありますが 御遺灰となって帰京され こちらに埋葬されたのだそうです

 

昇り始めた朝日が向こうの山を照らし始めました

 

御陵のとなりにある勝林院

ここは有名な「大原問答」の舞台です 

浄土宗の開祖の法然上人天台宗真言宗法相宗華厳宗禅宗などの第一人者たちと対決したと言われる「大原問答」

顕真上人(天台座主:今でいえば東大総長みたいな立場?)や 重源上人(焼け落ちた東大寺の大仏復興に尽力)など 当時の有名どころが寄ってたかって 法然上人を12の難問で問い詰めたそうですが…

そのことごとくに淀みなく答えて皆を感服させたと伝えられています✨

法然上人といえば…

南無阿弥陀仏」を唱えれば 死後は誰でも極楽浄土へ往生できる 

と説いたことで有名ですね(^_-)-☆

 

法然上人腰掛石」

900年も前 法然上人が腰掛けたと言われる石が 勝林院の前に残っています

 

勝林院の脇の道をぐるっと回ってお宿に戻りました


赤シソの畑がありました

大原の赤シソは発色や香りの評価が高いのだそうです

交雑がおこりにくい隔絶された盆地で栽培されてきたため この赤シソは 最も原品種に近いとされています

 

 

お宿をチェックアウト後 三千院を拝観しました

開門は9時 ※11月の紅葉の時だけ8時半になるようです

拝観料:大人700円  中・高生400円  小学生150円

「客殿」「宸殿」を巡ることができます

(靴はビニール袋に入れて持ち歩きます)

 

こちらが 「客殿」から望む聚碧園

※堂内は撮影禁止ですが 庭園は撮影可能です

江戸時代の茶人・金森宗和の作だそうです

庭師の方が丁寧に苔の手入れをされていました

縁側の緋毛氈でお抹茶をいただくこともできます

 

こちらが「宸殿」から見た有清園

ここで靴を履いて庭に下ります

まっすぐ続く参道の両脇は 美しい杉苔の絨毯になっています

秋の紅葉が有名ですが 青葉のもみじの景色も風情がありました✨

 

池泉回遊式庭園となっていて 池があります

 

垣根越しに 「客殿」の緋毛氈が見えています

 

杉木立の奥に 杮葺き(こけらぶき)の建物が見えてきました

重要文化財往生極楽院です (※堂内は撮影禁止)

国宝の阿弥陀三尊像が安置されています

内部は船底天井になっていて 2.3mもある阿弥陀如来像が鎮座されていました

お堂の外の階段下から見上げても迫ってくるような阿弥陀三尊像のお姿は 圧倒されるようで心に残りました…

 

三千院をあとにして…

続いて寂光院へと向かいました🚗

寂光院は 大原の谷をはさんで 三千院の反対側の山懐にあります

平家物語ゆかりの寺として知られる寂光院

あまりにも有名な冒頭は 皆さん聞かれたことがあるかと思います…

 祇園精舎の鐘の声
  諸行無常の響きあり
 沙羅双樹の花の色
  盛者必衰の理をあらわす
 おごれる人も久しからず
  ただ春の夜の夢のごとし
 たけき者もついには滅びぬ
  偏に風の前の塵に同じ

 

身分の低い武士として初めて公卿となった平清盛は 娘の徳子高倉天皇に嫁がせることに成功しました

 建礼門院 平徳子 Wikipediaより

 

徳子の産んだ子は満1歳2か月で践祚安徳天皇となりました

幼帝の外戚となった清盛はますます権勢をふるい

「平家にあらずんば人にあらず」

といわれるほどに平家一門は隆盛を極めました✨

 

ところが高倉天皇は21歳で早逝されました

清盛も熱病で死去したことで 平家の凋落がはじまります…

 

建礼門院となった徳子は 義父である後白河法皇と平家の対立のなか 幼い安徳帝とともに時代の流れに翻弄され やがて源平合戦とともに壇ノ浦へと追いつめられてしまいます…

 

「どこに行くの?」と尋ねる幼い安徳帝

安徳帝を抱いた二位尼平時子・清盛の妻で建礼門院の母)は

「波の下にも都はこざいます」

と答え 舟から海に飛び込みました

 

続いて建礼門院(徳子)も入水自殺をはかりました

 

平家一門が皆死んでいく中で建礼門院だけが助け出されたといいます

出家した彼女は山深い大原の里に隠棲し 息子と一門の菩提を弔う毎日を過ごしたそうです…

 

本堂は淀殿豊臣秀頼の命で慶長年間(1596年 - 1615年)に再興したものが 2000年(平成12年)の放火事件で ご本尊と共に焼失してしまいました(>_<)

犯人は捕まらないまま時効となってしまったそうです…

大原で暮らす建礼門院後白河法皇がひそかに訪ねた故事は「大原御幸」として今に伝わっています

 

寺内に「諸行無常の鐘」がありました

祇園精舎の鐘の声
 諸行無常の響きあり


諸行無常の鐘」はどんな音がするのでしょう…

自由に鳴らすことはできたと思いますが畏れ多いのでやめました^^;

沙羅双樹の花の色
 盛者必衰の理をあらわす…

毎年6月には沙羅双樹の花も咲くそうです!

その光景を 見てみたいです…

 

本堂からさらに進むと 建礼門院の庵の跡がありました

実際に使われていた井戸が今も残っています

井戸から流れた水が庭の掛樋をくだって 手水の水として使えるようになっていました

とても冷たい山水です!

 

放火によりご本尊は黒焦げになりましたが その体内に納められていた多数の地蔵菩薩像は無事で「木造地蔵菩薩立像(焼損)」の名称で収蔵庫に保管されています

 

寂光院のとなりに 建礼門院徳子大原西陵があります

長い石段を上っていくと…

見晴らしのよい高台に御陵がありました

 

 

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最後は「お漬物」のお話です(^_-)-☆

 

大原は昔 薪の産地として有名で 大原の女性たちは都まで薪を売りに出かけていました

その装束は都で大変な人気を博し 「大原女」として持てはやされたそうです

でも もとは建礼門院と一緒に庵で暮らしていた「阿波内侍」が山仕事をしていた時の衣装を模したものだと言われています

 

大原の人々は 慎ましやかに暮らす建礼門院に 赤しそを使った漬物を献上したのだそうです

その味をたいそう気に入った建礼門院は その漬物を「紫葉漬け」と名付けました

 

せっかくなのでお土産にお漬物を買って帰ることにしました

こちらは 京都の大原伝統の「志ば漬」を昔ながらの製法で作りつづけているお店です

志ば久京都市左京区大原勝林院町)

 営業時間:9:00-16:00 水曜休

以前 ブラタモリでも紹介されていました!

平安の昔に建礼門院が「紫葉漬け」と名付けたお漬物が今に伝わっています

「青志ば」は 青しそ・なす・みょうが の 志ば漬

「赤志ば」は 赤しそ・なす・みょうが の 志ば漬

 

志ば漬以外にもたくさんのお漬物が並んでいます

すまりんたちは 志ば漬2種と まるごとの「すぐき」を購入しました

浅漬けなど冷蔵保存が必要なものもありましたが これらは常温保存が可能です

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左)きゅうり入りきざみ青志ば 右)きざみ赤志ば
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『きゅうり入りきざみ青志ば』は樽出し青志ば+きゅうりの刻みです

『きざみ赤志ば』は樽出し赤志ばを刻んだものです

これらの志ば漬は 今でも

"四斗樽に重石を載せてじっくり乳酸発酵させる伝統の製法"

が引き継がれているそうです

 

※「すぐき」は いずれの記事で改めてご紹介します

 

自宅でお茶漬けをしました(*^^*)♡

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酸味が良い感じで やみつきになるお味です(*^^*)

 

お取り寄せも可能です(^_-)-☆

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公式ホームページ ショッピングサイト

 

 

次回は千葉県の富津岬とおいしい"はかりめ丼"のお話です