すまきとすまりんは 富山県の黒部峡谷 宇奈月駅にやってきました
時刻は朝の7時45分
これからトロッコ電車に乗って観光に出発予定です(^_-)-☆
紅葉の季節のせいか すでに沢山の人が来ていて駐車場も埋まってきました
黒部峡谷鉄道は この宇奈月駅から黒部川の峡谷をさかのぼり 終点 欅平(けやきだいら)までの20kmをトロッコ電車で行く観光路線です
駅前にトロッコの模型が展示されていました⤵
この黒部峡谷鉄道は もともと北アルプス山中にある黒部ダムの建設・管理のために建設された鉄道です
今日は終点の「欅平」からさらに先…
普段は立ち入ることのできない関西電力の工事用トンネルエリアを経由して
北アルプスを展望する「パノラマ展望ツアー」に参加します!
駅舎の2階に受付がありました
※予めインターネットで申し込みを行い 参加者名簿と同意書を提出しておきます
受付(写真右手↘)で本人確認後 参加証を受け取ります
休憩所(展望所)にて…
8時17分発の始発便を見送りました
すまりんたちのツアーの便は 9時ちょうど発でした
まだ時間があるので外に出て 駅前の電気機関車の展示を見学しました
ミニチュアではありません! 本物です
小さいので 運転席は横向きです
良い席をとるために 早いめに改札に並びました(^_-)-☆
どんどん人が増えてきて10分前にはすごい行列になりました!
天気は快晴(*^^*) …でも 目的地の気温は一桁です!
欅平までは90分近くの乗車…
トロッコ電車にトイレはないので出発前にすませておきましょう
乗車する「号車」は指定ですが 「席」は自由です
1号車の一番前に乗ることにしました(^_-)-☆
吹きさらしなので かなり寒かったです
結局 ゴアテックスの上にウルトラライトダウンを重ね着してモコモコになりました
定刻通りに出発!
鉄橋(新山彦橋)を渡っていきます
※平行して架かっているかつての鉄橋(旧山彦橋)は整備され遊歩道になっているのでトロッコを近くで見ることもできます
すまりんたちは翌朝 旧山彦橋までトロッコを見に行きました(^_-)-☆
車内には富山出身の室井滋さんの声で観光案内が流れます♪
新柳河原発電所は ヨーロッパの古城をイメージしたデザインだそうです✨
前身の旧柳河原発電所が黒部川第一発電所に相当していましたが 宇奈月ダムの建設で水没しました
少しオレンジに色づいた山々と うなづき湖のエメラルドグリーンが美しいです
ダム建設で川を渡れなくなった猿用🐒の吊橋がかかっています↓
残念ながらお猿さんの姿は見えませんでした
このちょっと先に宇奈月温泉の源泉♨があるのですが 向こう岸を通っているのは7kmにもおよぶ温泉の引き湯パイプです
黒薙駅です
こちらが 宇奈月温泉の源泉の 黒薙温泉♨です
※宇奈月温泉のお宿はここからの引き湯です
長い客車を引くため 機関車は2両つなぎで重連運転されています
ちなみにこの橋は後曳橋という橋で 下の黒薙川から60mの高さがあり 見下ろすと怖くて後ずさりをするということから この名が付けられたそうです☝
線路の脇に コンクリートのトンネル(冬期歩道)が続いています
12月から4月半ばまでの雪の期間 関西電力の人たちはこのトンネルを歩いて水力発電所の保守管理を行うのだそうです
トロッコだと1時間半のところが 徒歩では6時間もかかるそうです!
大変なお仕事ですね…(>_<) ありがたいことです
ここから落とした水が 新柳河原発電所の発電に使われます
そして こちらが猫又にある黒部川第二発電所です
昭和11年に完成した発電所で 上流の小屋平ダムの水を引いて発電しています
ねずみ返しの岩壁
猫に追われたねずみが登れなかったという伝説のある200mの断崖です
猫もまた登れなかったので 猫又という名前がついたそうです^^;
東鐘釣山のトンネルを抜けると この景色✨
錦繍関と呼ばれトロッコ列車からしか見ることができない紅葉の名所です
戦前に訪れた 久邇宮妃殿下が紅葉に彩られたこの光景を見て名付けられたそうです
残念ながらこの時は鮮やかな紅葉は見られませんでした^^;
ちょっとタイミングをはずしてしまったかな…
鐘釣駅(※ここまでは過去にも訪れたことがあります)
終点の「欅平」まで行ってしまうと往復にかなりの時間を要するので ツアーなどでは「鐘釣」で折り返される人も多いようです
駅のすぐ横に万年雪展望台があるのですが…
最近は温暖化の影響か 夏になると雪が融けてしまうようです
どちらにしても今回のツアーでは時間がないので寄り道はできません
※昔 撮影した写真です⤵
雪はなく… 秋でしたが 紅葉もありませんでした^^;
お話 戻りまして…
さらに進むと小屋平ダムが見えてきました
黒部川第二発電所の発電用取水ダムです
上り列車(宇奈月方面へ向かう列車)の通過待ち…
こんな朝早くに乗っているのは山に宿泊されていた方たちでしょうか
パノラマ展望ツアーの人は 改札を出ずにホームで集合です
関係者以外立ち入り禁止の関西電力の工事区域に立ち入るためヘルメットを配布されます
※ツアーの時間帯によって色分けされていました
※マイヘルメット(色は自由)もOKなのですまりんたちは持参しました
乗客が下りて空になったトロッコ
同じホームに 欅平のさらに奥に行く電車が来るのだそうです
A(アンペア)とV(ボルト)を組み合わせてW(ワット)をデザインしたという関西電力のロゴに レールの断面をあしらった 黒部峡谷鉄道のマーク↓
線路の幅は 日本に3社4路線しかない特殊狭軌(ナローゲージ)です
小さな電車が到着しました
車両を牽引するのはED形機関車⤵
宇奈月駅前に展示してあったのと同じ 小さな凸形機関車です
戦前の昭和10年頃から90年近く現役で動いているという"走る文化遺産"です✨
出発です!
すぐにトンネル(下部専用鉄道)に突入…
欅平より上は すべてトンネル路線です
戦前に掘られたこのトンネルには発破のための削岩機の跡が残っています
数百mほど進んだ所でスイッチバックして後ろ向きに進行…
竪坑エレベーター前(欅平下部駅)に到着しました
機関車の前で記念撮影📷
機関車の内部は外から見学できました
小さいので操縦は横向きで行います
線路の突き当りには当時の工事で作られた竪坑エレベーターがあります↓
軍需物資の生産のために電源開発は急を要し 黒部川第三発電所の建設が開始されました
発電用ダムの「仙人谷ダム」は この欅平から6kmほど上流の険しい山中に建設されることになりましたが 勾配が急すぎて鉄道線路を通すことができませんでした
このため 山中を穿ってエレベーターを建設し 一気に200m上まで資材を運び上げるという方法が採用されたのだそうです
エレベーターにグループ全員で乗り込みました
コロナ対策のため 立ち位置マークがあります
ガイドさんがスイッチオン!
上昇開始!
200mのエレベーターは 当時日本一でした✨
緊急時 壁から天井に上がれるようになっていてます
......
......
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約2分で 欅平上部駅に到着!
ここから北アルプス山中を貫いて仙人谷ダムまでトンネルが続いています
吉村昭氏の「高熱隧道」をご存知でしょうか
それによると この竪坑エレベーターから先のトンネル工事は想像を絶する難工事で 多くの死者が出たということです
温泉地の岩盤切削のため岩盤の表面温度が100℃を優に超える難所が続き (最高166℃にもなったそう…) 工事が行われる構内はサウナのようになり 発破に使うダイナマイトが目の前で自然爆発してしまうなど 凄惨な状況の中での工事だったそうです
250ページほどの内容ですが 完成の間際まで 目を覆いたくなるような恐ろしい記述が続きます…
当時 命の危険を顧みず(いや 顧みなかったことはないでしょうね…)トンネルを貫通させて下さった方々のおかげで 日本は大いに救われたのだと思います
本当にありがたいことです
この本を読んだ後に 黒部のダムやトンネルの観光をすると 見方がずいぶんと変わってくると思います
ツアー参加者は 併設されている人員用のエレベーターの横を通り抜けて 裏側にある竪坑展望台に向かいました🐾🐾
後編に続きます(^_-)-☆