季節外れですが^^; 今回は紅葉のお話です
ちょっと前置きを…
紅葉の名所は全国各地にありますが 古寺や神社に映える京都の紅葉は格別のものがあります(*^^*)
【実相院】
【毘沙門堂】
JR東海の「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンもありますが
とにかく桜や紅葉のシーズン 京都は観光客でごった返しているイメージです^^;
これは10年ほど前に京都の光明寺で撮影した写真です
できるだけ周囲に人がいない状態で写真を撮りたかったのですが…
なかなか 一人で写ることはできません^^;
なぜなら…
有名寺院は入り口から この状態(※こちらは東福寺通天橋)
回廊もぎゅうぎゅう⤵
庭園も⤵
平日にもかかわらず こんなに人でいっぱいでした^^;
綺麗なスポットには必ず人が集まっています…
結局 人の写っていないのは 空に向かって撮る写真だけ…
今回は コロナ禍なので 混みあうのもいやだなぁと 穴場を探してみました…
ということで 湖東三山(滋賀県)をご紹介します(^_-)-☆
滋賀県では 琵琶湖の東側を「湖東」と言います
「湖東」は 彦根市や近江八幡市を含む歴史ある地域で 昔 織田信長が安土城を建てた交通の要衝でもあります
湖東平野の東側には 「鈴鹿山脈」がそびえていて 三重県や愛知県との県境となっています
この「鈴鹿山脈」の山裾に 湖東三山 と呼ばれる三つのお寺があり それぞれ紅葉の名所として有名です☝
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①すまりんたちが まず最初に訪れたのは
龍應山 西明寺(さいみょうじ)です
国道沿いに広い駐車場があります
境内の中のもっと本堂に近い所にも駐車場がありますが 苔むした石段の風情を味わいたいのでここから歩きます🐾🐾
国道をはさんで向こう側に山門があります
横断は気を付けて(^_-)-☆
お寺の縁起が書かれた看板↘
滋賀の古いお寺は比叡山の影響のもと天台宗の寺院が比較的多いように思いますが 「湖東三山」の三つのお寺も皆 天台宗です
山門
入り口で入場券を購入します
入山料:大人(高校生以上)600円 中学生300円 小学生200円
杖が置いてありましたが しばらくはご覧の通りの緩やかな階段道です
紅葉は残っていましたが 少しだけ遅かったようです…
この後混んできましたが まだ早い時間だったので 一人で写真に写ることができました
山門内の駐車場からの人は ここで右側から合流します
左側には池泉回遊式庭園をもつ本坊があります
本坊の庭園
黄色く色づいた紅葉も新鮮です✨
不断桜🌸
秋から春まで花が咲き 一年中花や葉が絶えないことからこの名がつけられたそうです
苔に花びらが散ったところも綺麗でした(*^^*)♡
辺りは苔がモフモフしていました
滑らかで美しいです…
こちらが二天門 ※重要文化財です
四天王のうちの持国天と増長天がおられるので二天門とよばれるそうです
二天門を入ると正面に本堂 右手に三重塔 がありますが どちらも国宝✨です
国宝 三重塔
鎌倉時代後期の建築とされ 総高は20.1m …
檜皮葺きのシックな塔です
国宝 本堂
こちらは鎌倉時代前期のもので 中世天台仏堂の代表作として国宝に指定されています
※本堂内に入ることはできますが撮影はできません
ご本尊の薬師如来立像(秘仏)は 比叡山延暦寺の根本中堂に祀られているご本尊の薬師如来(秘仏)と 琵琶湖を隔てて向き合うように祀られているそうです
最盛期には17の諸堂に僧坊300を有する大寺院でしたが 織田信長の延暦寺の焼き討ちに際して 同じ天台宗のこの寺も焼かれました
寺僧の機知により 山門近くの房舎を激しく燃やして全山焼失のように見せかけたため 山奥に位置する本堂と三重塔は焼失をまぬがれたそうです
比叡山の記事はこちら
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➁ 西明寺から3㎞ほど南に下ったところに 松峯山 金剛輪寺があります
名神高速の「湖東三山パーキングエリア」のスマートICを下りてすぐの 車ではアクセスしやすい場所にあります
観光バスもたくさん来そうな広い駐車場… 露店の出店もありました
こちらも天台宗と書かれていますね↘
山門には聖観音の大きな提灯が…
門を入ったところで入場券を購入します
入場料は 600円です
この辺りはやっぱり紅葉の最盛期はちょっと過ぎてしまったようです
参道を進んだところに 本坊の明寿院があります
明寿院の庭園は 見学することができます
苔むした瓦は風情があって 素敵です✨
入り口を入ってすぐの池庭は 安土桃山時代の作とされています
奥の庭は江戸時代の作です↓
左側の建物には自由に上がることができます(^_-)-☆
開け放たれたふすまから 額縁のように切り取られた奥の庭を鑑賞できます
すまりんたちもお座敷に上がって庭を眺めました
緋毛氈が敷かれて良い感じですね~(*'▽')
庭の奥から 風車が供えられた千体地蔵の参道をすすむと…
重要文化財の二天門があります
国宝✨の本堂
須弥壇の金具に弘安11年(1288年)の銘があり 元寇の戦勝記念として近江守護 佐々木頼綱(六角頼綱)によって建てられたといわれますが 現存する本堂は南北朝時代の建立と推定されています
本堂の左側の坂をのぼると 重要文化財の三重塔があります
この金剛輪寺も天台宗のため 織田信長の焼き討ちを受けましたが 山奥にある二天門・本堂・三重塔は焼失を免れました
しかし寺は衰退し 三重塔は荒廃して三重目はなくなっていたそうです…
現状の三重塔は昭和時代に修理復元されたものです
行基が 拝みながら観音さまの彫刻を進めていると やがて一筋の血が流れ落ち この時 観音さまに魂が宿ったということで ご本尊は あら彫りのまま安置されています
これにちなんで金剛輪寺の紅葉は「血染めの紅葉」と言われています
真っ赤です…
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③ 金剛輪寺からさらに7㎞ほど南…
鈴鹿山脈の山懐に入り込んだところに 釈迦山 百済寺(ひゃくさいじ)があります
こちらも広い駐車場が完備されています
伝承では…
聖徳太子がこの地の山中で不思議な光を放つ霊木の杉を見つけ 根が付いた立ち木のまま十一面観音像(植木観音)を刻み その像を囲むように堂を建てたのが百済寺の始まりということです☝
百済の龍雲寺にならって寺を建てたので「百済寺」と号されました
伝承が史実かどうか定かではありませんが 百済寺という寺号から見て渡来系氏族の氏寺として開創された可能性が高いとされています
平安時代には比叡山延暦寺の勢力下に入り 天台宗の寺院となって「湖東の小叡山」や「天台別院」とも称されるほど隆盛を極めました
かつて 酒といえば "どぶろく"しかありませんでしたが 神仏への供物として特に手間をかけて醸造された「僧坊酒」という 現代の"清酒"に近いものが作られるようになりました
奈良の寺院が作った「南都諸白(なんともろはく)」がその第一になりますが 河内観心寺の「観心寺酒」 金剛寺の「天野酒」 越前豊原寺の「豊原(ほうげん)酒」と こちら近江百済寺の「百済寺樽」が特に有名で 都で重宝されていたそうです✨
信長の焼き討ちによって途絶えていましたが 復活プロジェクトのもと 444年ぶりに再現されました
百済寺は中世 北谷・東谷・西谷・南谷に1000近い坊を持つ大寺院で 戦国時代に来日した宣教師のルイス・フロイスも当寺のことを「地上の楽園」とその書簡に書いています…
しかし織田信長の上洛に際して抵抗を続けていた近江の戦国大名 六角氏の味方をしたため こちらの寺も焼き討ちに遭い 伽藍は全焼しました(>_<)
ご本尊の植木観音だけは 約8㎞離れた場所にある奥の院に避難させていて無事だったそうです
入園料:大人600円 中学生300円 小学生200円
本坊の喜見院(きけんいん)
池に置かれている石の上を渡って行きます…
縁側に腰かけてお庭を見物できます
団体客の案内をされていたボランティアガイドさんが お話を聞かせて下さいました
「ぐるっとお庭を一周できますが 対岸の石橋は 細くなっているので足に不安がある人は行かないように!落っこちますよー! 」だそうです…
たしかに少し細くて歩きにくくなっていました
石が浮いているように見えますが もちろんそんなことはありません
ふり返った景色⤵
ここから 借景の築山に登って散策ができます🐾🐾
一番上まで上がりました!
ここは「天下遠望の名園」と称されており 琵琶湖をはさんで対岸の比叡山まで広大なパノラマを望めます(*'▽')
ところで 戦国時代の大規模な寺社は 僧兵などを擁して要塞のようになり 勢力を保持していました…
織田信長の安土築城の際に 近隣の城は破却されて石垣も材料として運ばれましたが 百済寺城の石垣は小石だったので安土へ「石曳」されずに残りました
お庭見物のあとは 本堂へ向かいました🐾🐾
↖左から向かうと ちょっと遠回りですがなだらかな道です
すまりんたちは直進します🐾🐾
仁王門
写真を取り損ねましたが 中に 仁王さま(金剛力士像)がおられます
正面の大わらじは 昔は仁王さまの足の大きさに応じて50㎝程だったそうですが 参拝客の間で『 触れると健脚や長寿になる』と言われ また わらじが大きいほどご利益も大きいと信じられ 江戸時代頃から だんだん大きくされたようです…
現在は3m近いそうですよ👀
このわらじは 地元の方々が 約10年毎に新調されているとのこと…
先にご紹介した2つのお寺の山門にも そういえば大きなわらじがありましたが 触るとご利益があったのかもしれません…
本堂に到着しました
本堂は焼き討ちで焼失しましたが 彦根藩の井伊家の保護もあり 江戸時代の慶安3年(1650)に再建されました
重要文化財に指定されています
以上 湖東三山のご紹介でした