すまきとすまりんのてくてくシリーズ🐾🐾
今回は2023年秋 富士お中道を歩いたお話です
霊峰富士🗻は 古くから信仰の山として 修験者による登山がなされてきました
江戸時代になると「富士講」に入った庶民の人々が ツアーガイドである「御師」に連れられて富士山に登るようになりました
富士講の信者は富士山登拝だけでなく「富士五湖」や「忍野八海」「白糸の滝」などの霊場も巡礼し修行を行いましたが そのひとつに「お中道巡り」がありました
お中道巡りは 富士山の五合目付近(標高2400mあたり)の山腹を反時計回りに一周するルートで 役行者(えんのぎょうじゃ)によって始められたと伝わり 16世紀後半に角行(かくぎょう)が行った記録が残っています
昔は...
『富士山に3回以上登頂した者だけに歩くことが許された信仰の道』だったそうです✨
すまりんたちは2023年夏 三度目の富士登頂を果たしたので 一応資格はありそうです(笑)
1977年までは約25kmのルートを一周できたそうですが 富士山の真西にある大沢崩れの崩壊がすすみ その後 通行禁止となりました(>_<)
現在はお中道を一周することはできませんが 一部の区間は道が整備され ハイキングコースとして利用することができます🐾🐾
河口湖から富士スバルラインで紅葉の樹林を抜け 一路五合目に向かいます🚗
あっという間に雲の上へ!
途中 観光バスがずらり並んでいました👀💦
幸いなことにスバルライン五合目の駐車場はまだ余裕がありました
こちらが山頂へ向かう「吉田口登山道」
9月上旬でシーズンは終了し 登山道は閉鎖されていました
登山シーズンはこのルートは大混雑すると言われますね💦
今年 (2024年)からは入山規制も行われることになりました
この時期でも 紅葉目当てに(?)五合目付近は大混雑!
多くのかたが外国人観光客でした
標高2305ⅿ... 上着を羽織らないと寒くて大変でした💦
中国語が飛び交うなか ...
レストハウス裏の小御嶽(こみたけ)神社にお参りしました
成層火山である富士山は いくつもの山を土台にして積み上がっています
数十万年前に活動し 富士山のベースとなった山を小御岳火山といい この神社のあたりにその頂上の名残があるそうです
展望台からの景色
富士山頂は残念ながら雲の中です^^;
では...
スバルラインを横断して お中道に入ります🐾🐾
富士山 御中道 御庭・奥庭コース スタートです(^_-)-☆
案内板が完備されていて とても歩きやすいコースでした
ほぼ同じ標高を歩くので アップダウンはほとんどなくてらくちん!
ハクサンシャクナゲがたくさん見られました
シーズンにはシャクナゲのトンネルになるのでしょうか...
このあたりは常緑針葉樹のシラビソの林になっています
冬季の強烈な風と雪で 木の幹が捻じ曲がるのでしょうね💦
やがて 道が開けて 森林限界っぽいところに出ました
カラマツの黄色が目にまぶしいです✨
ちなみに カラマツは漢字で「落葉松」と書きます
その名の通り まもなくこの木々たちは葉を落とします🍂
富士五湖が一望できるスポット✨
ちょっと霞んでいて見にくいですが 本栖湖が見えました
🔍
ちなみにこちらは別日に撮影した富士山と本栖湖の写真です⤵
本栖湖越しに見る富士山は一昔前の五千円札や 現在の千円札(※まもなく7月3日から新札となりますが...)の裏側にデザインされていました
ところで...
富士山のすそ野は 多数の側火山 (中腹から噴火した跡) によってボコボコしています
これらの火口から流れ下った溶岩は かつて剗の海(せのうみ)とよばれた大きな湖を埋め立てて 本栖湖・精進湖・西湖の三つの湖に分けたといわれています
本栖湖の湖岸には 流れ込んだ溶岩の跡が今も残っています
※別日に撮影したもの
こちらは静岡大学防災総合センターのHPからお借りした資料です⤵
富士山の北西から南東の軸は フィリピン海プレートとともに北上する伊豆半島の圧力のせいで亀裂が入りやすい方向なので 過去の多くの噴火がこのラインに沿っています
写真中央は 側火山最大の大室山⤵
大室山は 子抱富士の「子ども」の山です
※別日に精進湖から撮影したもの
なので この大室山のむこうに精進湖があるはずです⤵
あちらには河口湖が…
ちなみに河口湖越しに見る富士山は バランスがとれてとても美しいです✨
このときは逆さ富士もばっちり見えていましたが...
今日は 多分無理でしょうね^^;
富士急線の駅がある河口湖のほとりには市街地が広がっています
余談がつきないので ^^; そろそろ先へ進みます🐾🐾
この辺りはコケモモの群生地のようです✨
コケモモはジャムにできる赤い実をつける植物で 昨年木曽駒ケ岳でも見かけました
「溶岩流」と書かれた看板...
溶岩が流れた跡がありました⤵
パホイホイ溶岩でしょうか...
溶岩には種類があり パホイホイ溶岩やアア溶岩など奇妙な名前がついています
「パホイホイ」は表面が滑らかなタイプ
「アア」は表面がトゲトゲしたタイプ
※どちらも火山の多いハワイの現地語に由来する学術用語だそうです☝
三原山登山のところでも登場しました⤵
独立峰である富士山は 吹き付ける風雨の影響をまともに受け 年々崩壊しています
特に 春先に雪融けが進む中 大量の雨によって発生する大規模な雪崩は雪代(ゆきしろ)とよばれ 土石流や洪水が山麓に被害をもたらすこともあります
崩壊が進む場所には 巨大な砂防施設が建設されていました
歩いているうちに 雲が少し上がってきたようです(*^^*)
もしかしたら まもなく頂上が見えるかもしれません!!
道のむこうは快晴になりました✨
雲の形が どんどん変わっていきます
あと もうちょっと...!
ようやく 頂上が顔を出してくれました(*^^*)
12秒の動画です⤵
頂上には少し雪が見えますね...
2023年は例年よりちょっと遅い初冠雪だったにもかかわらず その後 暑さのため溶けてしまい これは再びの積雪のようです
カラマツが一面の黄金色に輝きだしました✨
石畳の続く気持ちのいい道は 2000mの天空に浮かぶ庭園のようです
このあたりに”御庭”という名がつけられているわけですね(^_-)-☆
「御庭休憩所」に到着しました!
こちらには 約2000年前の噴火でできた「御庭火口列」と呼ばれる割れ目火口が連なった跡が残っています
富士山の北西側山腹に連なる側火山群のひとつで 最も山頂に近い側火山のひとつになります
お中道はさらに続いていきますが…
ここから先の大沢崩れルートは通行禁止でした⤵
すまきの子供の頃の"記憶"によれば...
「ヤマケイ ブルーガイド」という本に
~お中道をすすみ 大沢崩れ手前の雲切不動に無事をお祈りしてから 崩落する石の間隙をぬって一息に大沢崩れを渡り切る~ というような案内が書かれていたそうです
ところが富士山の崩壊スピードは想像以上で 2018年の新聞記事には「高さ10mの雲切不動岩がすっかり崩落して消えてしまっていた」と報じられていました
今ではお中道付近の大沢崩れは100m以上の絶壁となるほどえぐれてしまい 到底渡れる状況ではないようです💧
さらには御庭から大沢崩れまでのルートの途中にある「滑沢」「仏石流し」「一番沢」といった沢も崩落で危険になったため 御庭より先に進むことができなくなっています
このあたりが大沢崩れ源頭部です⤵
※富士山西側から綺麗な写真を撮る機会がなく💦こんな写真ですみません
将来的には火口壁も崩れて山頂のお鉢巡りもできなくなるかもしれませんね💦
...ということで
ここからお中道をそれて 奥庭へと向かいます→→
奥庭はお中道から下ったところにあります
これからどんどん下って行くのですが
後でまたここまで登ってくると思うと恐ろしかったです (笑)
樹林帯に入り…
スカイラインに出ました!
車道を横断し 奥庭方面に向かいます🐾🐾
ここでトイレ休憩ができますよ(^_-)-☆
さて いざ奥庭へ...
道をさらに下って行きます...
帰りは またここを登ってこないといけません^^;
このあたりから 道の両側にコケモモが目立ち始めました
奥庭は コケモモで有名なのだそうです(^_-)-☆
よく見ると 赤い実をいっぱいつけていました✨
美味しそうですが そのまま食べたらきっと酸っぱいのでしょうね...
※富士山の五合目以上は 自然公園法で特別保護地区に指定され 植物の採集は禁じられています
下りきったところに「奥庭荘」がありました
おみやげの購入やお食事が可能ですが 宿泊もできるそうです
ネットで検索すると 良心的な価格の上 お部屋も綺麗でお料理もおいしそうでした✨
八合目くらいにこのクオリティーの宿泊施設があれば 富士登山もすごく快適になるのでしょうけど...
なかなかそうはいきませんよね^^;
奥庭荘名物の「こけももジャム」&「こけもも果汁」が売られていました
富士山でとれたコケモモのみを使用しているそうです
お湯で割ると咳止めにも効果があるとのこと...
紙コップに注いで下さりましたが 甘すぎず美味しかったです(*^^*)
すまりんたちは 「こけももジャム」を購入しました
けっこう大きい瓶でしたが 美味しい上 健康に良いということで あれよあれよという間に食べてしまいました
もう一個買っておけばよかったかな (笑)
「奥庭荘」の前に 天狗岩がありました
天狗岩は鳥居のむこうに祀られていました
この岩を 山頂から天狗が小脇にかかえて持ってきたのですね
お賽銭箱には大きな下駄が立てかけられていました✨
ここからもう少し進んで 奥庭展望台に向かいます🐾🐾
左右に道が分かれていましたので 右から行って 左から戻ってきました
結果的には 大きな差はないように思いました(^_-)-☆
右のルート
途中から階段になります
左ルートと合流して視界が開けました
ここまで来ると 雄大な富士山が迫って見えました✨
先ほどお中道の「御庭休憩所」で 御庭火口列のことに触れましたが 御庭の噴火口からここまでずっと火口列が続いているのだそうです...
ちいさな須磨と3人で記念撮影📷
※ちいさな須磨は2022年にお空に行った愛猫の分身です
すまりんたちはバテ気味でしたが 須磨は らくちん✨余裕顔 (笑)
さらにちょっとだけ進んで…
下界を見下ろせる 奥庭展望台に到着🚩
青空ですが雲が多くて 視界はあまりよくありませんでした^^;
ここでも 3人で記念撮影 (^_-)-☆
ちいさな須磨は何かに夢中... (笑)
戻ります🐾🐾
富士山の山頂付近の雲が切れて さっきより見晴らしが良くなりました
先ほどの奥庭自然公園の入口に向かって歩いています
急坂につき 帰りはけっこうこたえました💦
車道に出ましたが 帰りは別ルートでお中道に戻ることにしました
スバルラインを少し歩きます🐾🐾
ガードレール横に歩道が整備されていました
スバルラインの御庭入口駐車場です
ここからも お中道に入ることができるようになっています(^_-)-☆
現在地は赤で示された場所です
行きはCルートを下りましたが 帰りはBルートを登り Aルート(もと来た道) を歩いて戻ります
けっこうな急坂でしたので 足にきました^^;
火口のひとつを見下ろす休憩所がありました
スコリアがゴロゴロしています
古代の人はここから噴き上がった溶岩を見て 神威を感じたのでしょうか...
火口列の横をひたすらに登り…
ようやくお中道に合流!
先ほどの「御庭休憩所」まで戻ってきました
ここからは平坦な「お中道」(*^^*)
もと来た道を軽快に戻っていきました🐾🐾
すそ野に並ぶ側火山のスコリア丘たちが 午後の光に影を伸ばし始めました
まもなくゴール...
お決まりの記念撮影✨
標高2400mの天空のハイキングは とても清々しく気持ちよかったです✨
お中道のハイキングは 毎年 5月初旬から11月初旬くらいまで楽しめるようです
富士登山はしんどいかたでも 富士山を間近に感じられるおすすめのコースのご紹介でした(^_-)-☆
次回は 富士山食パン🍞のご紹介です(^_-)-☆