鴨川の街を出発した すまきとすまりん…
房総半島を北に向かってドライブ中🚗
30分ほどで 養老渓谷に着きました
養老渓谷は 養老川の浸食によってつくられた渓谷です
房総半島の真ん中あたりに源を発し7kmほどの距離をくねくねと蛇行しながら 東京湾に注いでいます
ひざの裏を表す古語の「膕(よほろ)」という言葉が くねくねとカーブした養老川の名前の語源となったと言われています
本日は養老渓谷の見どころのご紹介と…
(❶❷❸はほぼ隣接しています)
後半で「チバニアン」のお話をさせていただきます
ーーーーー
❶まずは 粟又の滝 へと向かいました
「滝見苑」の駐車場に車をとめて徒歩で滝まで向かいます🐾🐾
駐車料金は500円
駐車場は坂の上にありますので 帰りはこの道を歩いて登ることになります
※第1駐車場はすぐ左手ですが第2駐車場はもっと上にありました
滝見苑から道路をはさんで向かいに 粟又の滝 への入り口があります
滝めぐりコースの案内がありますが今回は粟又の滝のみ見学しました
下り始めてすぐのところに可愛いねこちゃんが♡
じゃんぷ!
行きはよいよい…
滝まで200m ひたすら下ります🐾🐾
滝壺は階段を下りきって 左にあります
滝壺から約2kmにわたり粟又の滝遊歩道が整備されています
粟又の滝
本来は「高滝」という名称なのだそうです
養老川上流部に位置する滝なので「養老の滝」とも呼ばれることもあります
落差も幅も約30mで 流れがとても穏やかです
泳いでいる人も沢山いました
先ほどの看板にもありましたが 滝壺の深さは2mあるので 滝壺には近づかないようにしましょう!
すまりんたちは写真を撮ったらすぐに引き返しました
もと来た道を戻ります🐾🐾
こんな感じで川の両側が遊歩道になっています
もうちょっと涼しければ ウォーキングも楽しそうですね(^_-)-☆
さっきのねこちゃんが 下の方までおりてきていました
このあと すまりんたちの前を横切って隠れちゃいました
まだ幼い顔をしていますね♡
あぁ… お空の須磨に会いたいです (>_<)
ーーーーーーー
❷続いて 遠見の滝を見に行きました🚗
養老渓谷観光センターの「山の駅 養老渓谷 喜楽里」の駐車場横に案内板がありました
上の写真の突き当りが目指す滝なので 歩く距離はちょっとですみます(^_-)-☆
「遠見の滝」は洞窟の出口にあるこの小さな滝です↓
滝の背後の洞窟は 江戸時代に掘られた人工のトンネル
川の流れを強制的に変えるために掘られたトンネルで いわゆる「川廻しのトンネル」です
昔の人が くねくねと蛇行する養老川にトンネルを掘って短絡させ もともとの川(破線)の部分を開墾して新田開発をしたのだそうです
房総半島独特で多く見られるこの手法を「川廻し」と呼ぶのだそうです
遠見の滝を流れる川の地図に 国土地理院の傾斜量図を重ねてみました↓
見づらいですが^^; 左が"推定される昔の川の流れ"で 右が"現在の流れ"です
たしかにショートカットしていますよね…
ちなみに 洞窟内は立ち入り禁止です
なので 写真はここまでです
でも ちょっと洞窟の奥が気になります
のぞいてみると…
向こう側で家族連れのかたが魚を捕って遊んでいました^^;
実はすまりんたちが到着した時に 洞窟の中を歩いて行かれるのが見えていました
この瞬間に洞窟が崩落する確率は限りなくゼロに近いとしても
やはり危険なので 中に立ち入るのはやめた方がいいと思います(^_-)-☆
実り深い大地を夢見た先人が 長月かけて造りだした努力の賜物…
遠く(未来)を見て人々の願いをかなえたことから遠見の滝と呼ばれるそうです
ーーーーーーー
❸お次は弘文洞跡の見学に行きます
こちらの「渓谷入口駐車場」に車をとめました(無料)
駐車場から焼けるようなアスファルトの道をてくてく🐾🐾
ここを右に曲がって…
さらに行くと遠くにトンネルが見えてきました
(駐車場からトンネルの入り口までは歩いて5分ほどです)
トンネルの名前は向山・共栄トンネルです
入り口は普通のトンネルですが…
中に入ると一瞬で不思議な雰囲気に包まれました
出口が二段に分かれて下段は地下に潜っていくように見えました
横を車が通過して行き 下の段の方へ消えていきました…
実は このトンネルは素掘りの二層式トンネルなのです
全長は約110mの細いトンネルですが 奥が二段になっていますね
昔は上部の出口が使われていましたが 出口と道路の接続を改良するため昭和45年にトンネルを掘り下げてさらに延長したのだそうです
延長した部分が共栄トンネルで その手前までが向山トンネルと言われているようです
ここまで近づくと からくりがわかりますね(^_-)-☆
上の段の右側に大きな横穴が開いていますが これは 戦争中に掘られた防空壕だそうです
素掘りトンネルの天井も見ごたえがありますね✨
ゴツゴツした壁には苔が生えていました
でも トンネルが緑色に見えているのは 苔の色ではなくて トンネル内の蛍光灯の波長の関係です
肉眼で見るとここまで緑色ではありません
それよりも上の出口から見えている緑が鮮やかでなんとも美しかったです
ここからが新しく造られたトンネルです⤵
この先はごく普通のトンネルになります
車がけっこう通過するので注意が必要です
トンネルを出ると赤い橋とその下を流れる養老川の景色が広がります
※写真を撮っていませんが先ほどのトンネルはこちら側から見たらごく普通のトンネルです
当たり前ですが 視界もこんななので 振り返らなければ気づきません
さて すまりんたちは中瀬遊歩道を行きます🐾🐾
川沿いを数分歩いたところです
崖や川底に地層が見えています⤵
河原が平坦ですよね…
川の浸食が薄く平らに進んでいるのを「平滑岩盤河床」というそうです
ところで 今から140年前 ここに弘文洞という巨大なトンネルがつくられたそうです
※大多喜町ホームページより⤵
養老川の支流を川廻しするために掘られたトンネルで 景勝地として有名でしたが 1979年に天井が崩れ落ちてしまったとのことです
遠くに川釣りをする人がいました🎣
この辺りも暑かったけれど のどかな風景を堪能しました
ーーーーーーー
最後はチバニアンのお話です
"地質時代"という時代区分のやりかたがあります
化石生物を基準にして 地球誕生から現在まで
と分けられています
最も新しい新生代は さらに
古い方の更新世(今から258万8千年前から1万1700年前までの期間)は
さらに
ジェラシアン
の4つの「期」に分けられています
全時代で99ある「期」の名前は その期を代表する地層がある地域の名前から命名されます
例えば ジェラシアンはイタリア・シチリア島のジェーラから
カラブリアンはイタリア南部のカラブリア州から名づけられました
そしてカラブリアンの次の期である77万4000年前から12万9000年前の時代(中期更新世)の名前について 国際地質科学連合によって検討されていましたが
2020年に千葉県の養老川流域の地層にもとづいて チバニアンと名付けられました
日本の地名由来の命名は 唯一です✨
すまりんたちはまずチバニアンビジターセンター(千葉県市原市)で見学をしました
入場は無料で館内の撮影も自由にできます(^_-)-☆
途中から 受付に座っておられたスタッフのかた(ボランティアのガイドさん?)が 資料を持ってきて 講義をして下さいました
もともと地質学の先生だったのでしょうか…
時間にして20分ほど…すごく詳しく説明して下さり とても勉強になりました
こちらは地層を薄く剝ぎ取ってきた標本です⤵
77万4000年前…
最後の地球規模の地磁気逆転現象(地球のN極とS極の反転)というイベントがあり
それを基準としてチバニアンの地層としたそうです
カラブリアンの地層とチバニアンの地層に含まれる磁鉄鉱の粒子の向きが変わっていることでその境目が判断できるそうですが 肉眼で見えるものではありません
しかし この養老川の地層では ちょうどその頃に御嶽山の噴火があったため 時代の変わり目の部分にうまい具合に白い火山灰層が挟まっていて ひと目で境界がわかるということで 大変貴重な場所なのだそうです(上の写真の白いラインが火山灰層です)
資料館にゴールデンスパイクのレプリカがありました
ゴールデンスパイクは 国際的な地質年代の境界に指定された地層に設置されるものです
必ず「金の杭」でなくてもよいそうで 国によってはプレートやモニュメントを設置されている所もあるそうです
チバニアンを見学すれば本物のゴールデンスパイクを見ることができます!
融けるほど暑かったですが^^; もちろんチバニアンを見に行きました
こちらが多分 斜度18度の急坂です⤵
階段と坂を下りて 行きます🐾🐾
10分もかからず養老川のほとりまでおりてきました
これがチバニアンの地層です⤵
そして ゴールデンスパイク✨
二列の穴は分析用の試料を取った跡でしょうか
真ん中に見える溝のような線が 御嶽山の火山灰層です
以上
養老渓谷にまつわるお話でした(^_-)-☆
おまけのキバニヤン
※生前の須磨の 未公開写真です
次回は福島県の「霊山登山のお話」です(^_-)-☆